日本で育つ日本の子ども【ついに最下位へ】

「自分を語れない」「主体性がない」「何に興味があるかわからないない」「対話が成立しない」「自分で決めれない」。

これら多くの「ない」がある子どもに日々接している人は、ぜひ読んでみてください。なかなか解決できずにいたことに対するヒントが見つかるはずです。

この記事を含め４つの記事を掲載しますが、これらの記事は、現代の教育を劇的に改革されているある教育者のセミナーで得た内容で、実際に語られた言葉です。今現在の、あるいはこれからの子育てに関する多くの提言があります。

とくにこれから思春期を迎えるお子様をお持ちの保護者の方は是非読んで下さい。

日本で育つ日本の子ども【ついに最下位へ】

日本財団という組織が９ヵ国の1,000人の18歳の高校生を対象に６つの項目について調査しました（2019年11月）。

対象国は、日本・インド・インドネシア・韓国・ベトナム・中国・イギリス・アメリカ・ドイツの９ヵ国。

【６項目の質問】

1. 自分を大人だと思う
2. 自分は責任ある社会の一員だと思う
3. 将来の夢を持っている
4. 自分で国や社会を変えられると思う
5. 自分の国に解決したい社会議題がある
6. 社会議題について、家族や友人など周りの人と積極的に議論している

調査結果は尋常でない数字でした。全ての項目において日本はダントツの最下位でした。

日本中の高校３年生の姿を象徴している数字として信憑性があるとすれば、日本の将来は危ういと感じます。

比較的似ている教育をしていると言われる、韓国と比べてもかなり低い割合です。

世界中が求めている姿

現在、世界中で求められている子どもたちの姿は、この調査結果と真逆です。

つまり、自分は責任ある社会の一員だと思える子ども、自分で国や社会を変えられると思う子ども、などですね。

そういった子どもを育成しようと、特に欧米の教育は大きな転換がはじまっています。

しかし日本は学力だけに特化した教育、注目した教育をしすぎていると言えます。

この原因は大学の入試改革が進んでいないことが原因と言われており、現在の日本の大学入試は１点でも多く取ることができれば、大学に合格できるというスタイルです。じつは、世界でこのスタイルをとっているのは、日本と韓国ぐらいしかありません。

日本と欧米の違い

欧米は点数という認知スキルで評価するのではなく、その人の経験を通して身につけた力、その後の人生で何度も再現できるような力を読み取ろうとする入試への転換が始まっています。しかし、日本はこの転換に対し、臆病になっていると言えます。

この方法を採用すると、平等じゃないという議論が始まってしまいます。なのでなかなか改革が進まないのが現状です。

日本の教育を簡単に表現すると、情緒的で精神主義的であり、ガンバレ・ガンバレの知識習得型の教育です。

では、これからの教育はどうあるべきか

学びを自立させることです。

問題解決のスタイルを自分なりに工夫し、経験しながら知識を得ていくことで、学びがはるかに効率的で、スピードが上がっていきます。

また、他者との対話を通して共通の目的を見つけ出していくことも大切です。これは情緒的に仲良くということではありません。

日本はどうしても思いやりに偏りすぎて、仲良くさせようとする傾向にありますが、そこから問題解決のスキルは生まれません。

自らが主体的に行動し、対話を通して学びを深めていくことがこれからの教育には重要となってきます。

まとめ

社会や国といった言葉が出てくると、若い世代の人たちは実際にイメージできなかったり、自分には関係ないと捉えることが多いかもしれません。しかし、これは今の若い世代の人たちだけに限ってのことではなく、私たち大人世代であっても同じであると言えます。身近にある問題を感じていたとしても、それは動かし難く受け入れるしかない領域や分野として思いこみ、重要なことであっても見ぬフリをすることさえあります。

これからは、自分で物事を動かしていける人材が求められます。大企業でさえ終身雇用を手放さなければならない時代になり、個人が自分のスキルを自分でアピールしていかなくてはならない時代です。変わらない制度や教育のせいにするのは、はっきり言って時間の無駄です。これからは、自から学ぶ習慣を身につけ、自分で未来を切り開かなくてはなりません。

＠次回は「対話で育つ、子どもの主体的な学び」を掲載します。