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今久保 隆博
Asian LABO代表
奈良県出身のサッカーの指導者。24歳から20年間名古屋グランパスエイトで、育成年代からトップチームまで全てのカテゴリーの指導を経験。独立後はフリーランスとして活動し、日本と中国でクラブ運営、指導者育成に携わる。2019年にAsianLABOを愛知県岡崎市に設立。2020年よりスクール運営やイベント企画など、青少年育成事業、社会教育活動を本格的に開始。

サイレントリーグ・オブ・ラグビー【インタビュー前編】

先日、滋賀県草津市で行われたラグビーのサイレントリーグの主催者、The AntsラグビークラブGMの上田氏に試合を見ながら話しを聞きました。

関西弁でハキハキとした口調で、今回のサイレントリーグの感想を語ってもらいました。今回はそのインタビューの前編をお伝えします。

目次

サイレントリーグ・オブ・ラグビー【インタビュー前編】

5月23日滋賀県草津市三ツ池グランド

サイレントリーグ・オブ・ラグビー

3チームが参加したラグビーサイレントリーグ

Q すごくいい雰囲気で試合が進んでいますが、試合をする子どもたちの様子で普段との違いはありますか?

GM 僕もそれを考えていたんですけど、今日は子どもたちの試合中の会話の量が驚くほど多いです。子どもたちが話している内容も、より具体的だし、これまで僕たちが聞くことがなかったような会話の内容が多いですね。

ふだん子どもたちが掛け合ってる言葉って、もしかしたら、指導者が発する「次は○○するぞ」とか「もっと○○して行こう」という言葉を、追随している言葉なのかなって考えているところでした。だから、もしかしたら子どもたちが、その場で気付いたことがあって、何かを伝えようとしていても、指導者の声が先回りして、子どもたちに言えなくさせていたんじゃないかと思います。

今もね、子どもたちがちょっとした隙間時間に話している会話の内容は、今まであまり聞くことがなかったですね。


Q では、普段の練習で学んだことは、どれくらい試合に反映されていますか?

GM 練習や試合では、僕たちの指示のもと、子どもたちがその通りに動こうとしてくれるので、繰り返し行うことで、その決まった形の成功が積み上がれば、すっかり出来ているように勘違いしていたかもしれないですね。

今日みたいに指示がないと、理解できていない部分が多いということもよく見えるし、逆にここは理解できてたのか、ということがよく分かりました。マスターできただろうと安心しきっていた部分が、今日は完全に抜け落ちてしまっています。そういうことが分かっただけでも、サイレントリーグを開催した価値があったと思います。

指導者の気づき

Q その他になにか新しい発見はありましたか?

GM 良かれと思って、言ってたことが、子どもたちには全然ひびかないってことを以前から、うすうす感じてました。

今日も、僕たちが問題と思っていたことが、子どもたちには問題でなかったり、逆にこちらが大丈夫と思っていたことが、じつは子どもたちには、けっこうな問題なんじゃないかというのが見えてきています。だから、普段の活動で子どもたち自身が課題だと感じていないことに対してアプローチしても、「へー」って思うだけで、結局はやらせるだけの指導につながってたんだろうなって思います。


Q つまり、指導者がこうでなきゃいけないって考えていることに対して、子どもたちについてこさせているということでしょうか?

GM そう思います。僕たち指導者は、もっと子どもたちの目線で考え「こういうふうにしたい」とか「こういうふうになりたい」という思いに寄り添ってあげたほうが良いんだろうなって思います。こんなふうに考えたことは、正直今までなかったですね。

こうして少し離れた位置から、子どもたちを観察することは、指導者と子どもの間にあるギャップを埋めるために、普段の活動を考え直す良いきっかけ作りになると思います。

次回へ続く▶︎

この記事を書いた人

奈良県出身のサッカーの指導者。24歳から20年間名古屋グランパスエイトで、育成年代からトップチームまで全てのカテゴリーの指導を経験。独立後はフリーランスとして活動し、日本と中国でクラブ運営、指導者育成に携わる。2019年にAsianLABOを愛知県岡崎市に設立。2020年よりスクール運営やイベント企画など、青少年育成事業、社会教育活動を本格的に開始。

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