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今久保 隆博
Asian LABO代表
奈良県出身のサッカーの指導者。24歳から20年間名古屋グランパスエイトで、育成年代からトップチームまで全てのカテゴリーの指導を経験。独立後はフリーランスとして活動し、日本と中国でクラブ運営、指導者育成に携わる。2019年にAsianLABOを愛知県岡崎市に設立。2020年よりスクール運営やイベント企画など、青少年育成事業、社会教育活動を本格的に開始。

自己肯定感を育てる子どもの自己決定【最終記事】

なんと、人が1日に行う決断の回数は35,000回だそうです。ちなみに子どもは3,000回。

する・しない・これを着る・右に曲がる・ここに置く、など言われてみれば、意識していなくても、私たちの日常にたくさんの決断の機会が潜んでそうです。

このいくつもの決断。気分がいい時は、なんでもトントン拍子でことは運びますが、不安を抱えている状態では、いったいどうなるでしょうか?

子どもが最初の一歩を踏み出すために私たちができることは何なのでしょうか?

今回が連載最後の記事となります。子どもと親の何気ないやりとりが、子どもの未来にいかに重要か、みなさんの理解の幅がさらに広がることを期待しています。

目次

自己肯定感を育てる子どもの自己決定【最終記事】

残念ながら、自己肯定感の低い子どもには、やりたいことは見つからりません。また、何かに挑戦したいという気持ちも勇気も出てこないです。

自己肯定感を高めるためには、小さな自己決定を積み重ねていくことです。そのためには、まず子どもを自立させてあげることが大切で、自分の意思で決断する機会を与ることがとても重要です。

引き出すための3つの言葉

自分のやりたいことが見つからない子どもには、まず自立させてあげること。あともう一つは、やらないことを決めること。これも自己決定のうちの一つで、やりたいことが見つからなくても、やらないことを決めることはできるはず。これができるようになると、1日が24時間で時間は大事なものだということもわかってきます。

自己決定を引き出す3つの言葉。
① どうしたの?
② どうしたいの?
③ 何かできることある?

子どもに問いかける親は、この3つの言葉の②どうしたいの?までは結構簡単に言えるんですが、この②の答えが親にとって望ましくない内容ということが、よくあります。

親がどうしたい?と訊いて、こんなことしたい!とまったく親が望んでない真逆のことを子どもが言ったりすると、頭にくるんですよね、お父さんやお母さんって。そして出てくる③の言葉が

「じゃあ勝手にしなさいよ!」

ここで怒りをぐっと抑えて、何も言わず我慢することがいいと思われる人もいますが、これは放置することと同じで、子どもからは何も引き出すことができません。

それでも支えることが大切

例えば②のこたえに対して、何か手伝えることあるかな?と問いかけるアクションを続けることで、子どもは心理的安全状態が保たれます。

心理的安全性が保たれないと、人間って挑戦できないっていうのが、脳科学的にわかっています。

もともと人の脳って、臆病でネガティブなようにできているらしく、どうしても失敗を恐れ臆病になり、挑戦できなくなるらしいんですよね。

これを繰り返していると「できない」っていう回路が出来上がってしまいます。

やれない、挑戦できないというネガティブ回路が繰り返されることによって、本当に臆病になっていくんです。

気持ちじゃなくて、行動

このネガティブ回路を変えるためには、行動を変えていく必要があります。

これはハートの問題ではありません。

いわゆるハートさえ、ガッツさえあれば、ネガティブな側面を変えられると思いがちですけど、じつはそうではなくて、気持ちよりも行動変容の方が先だということを覚えておく必要があります。そしてこの行動を子どもが変えれるように、支えていくということが大事です。

そうは言っても行動が伴わなかったり、三日坊主のような、やろうと思っていても続かないこともありますよね。

でもそれって脳科学的には、ごく普通のこと!まったく当たり前のことなんです。

言ったのに子どもが自分でできないとなると、親は当然イライラしますが、ここがとても重要なポイント。

「できないのは普通だよ」と一声かけて、心理的安全性を保ってあげて下さい。叱りつづけて、心理的安全性を奪うのではなく、大丈夫なんだよと支えてあげることがとても大切なんです。

どんなことがあっても、決して見捨てないこと。

勝手にしなさい!と言ったり、放置してしまうのではなく、寄りそってることが伝わる言葉を選び支えてあげれば、子どもは自信を得て自分という存在を肯定する道を歩みはじめるでしょう。

子どもと目標を共有する

どんな自分になりたいのか、子どもと共有してみてください。

どこへ向かうのか分からないのに、ただただ見守るということはとても困難なはずです。

勉強にしても何にしても、目標に向かって行動する回路を、いっしょに築いてください。

まとめ

これを機に、今よかれと思っている子どもへの助言を見直してみませんか。ありがた迷惑という慣用句がありますが、今の助言や親切を育成という観点で捉えた時、もしかしたら子どもの将来に迷惑なものが多く存在するのかもしれません。今はそのことに親も子も気付くことはできませんが、私たち大人は自分の経験から検証することは十分に可能なはずです。大人は多くの失敗からたくさんのことを学んできました。しかしその学びは与られた環境の中で得たものにすぎません。私たちの時代よりも、これからを生きる子どもたちには、はるかに多くの選択肢があるはずです。近くカオスの時代を迎える子どもたちは、自分の意思で、自分が選んだ道で、自分らしく生き抜くかしこさと勇気を持ってもらいたいものです。

自信なさそうにしている子でも、まだまだ未来は開けています。今回この方が話されたすべての内容は、全ての子どもたちにとって価値ある内容で、実用的なものです。何かを感じとっていただいた人はすぐに実践してみてください。皆さんのお子さまにとって明るく、希望ある未来が開けることを心より願っています。

さて、これからどこへ向かおうか。

Ci vediamo alla prossima volta, ciao!!

この記事を書いた人

奈良県出身のサッカーの指導者。24歳から20年間名古屋グランパスエイトで、育成年代からトップチームまで全てのカテゴリーの指導を経験。独立後はフリーランスとして活動し、日本と中国でクラブ運営、指導者育成に携わる。2019年にAsianLABOを愛知県岡崎市に設立。2020年よりスクール運営やイベント企画など、青少年育成事業、社会教育活動を本格的に開始。

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